災害時に避難場所となる施設が
被災してしまう事実がある。
東日本大震災
窓枠落下被害
被災3県を中心に220件の窓の被害を確認、
うち34件は、窓枠ごと落下する危険なケースでした。
横連窓の大規模な脱落・損傷（北面）
※文部科学省 ;「学校施設における非構造部材の耐震対策の 推進に関する調査研究報告書」より
落下防止策
体育館桁面の柱間に落下防止ワイヤーを水平に展張し,窓枠脱落の際には、このワイヤーに窓枠が懸垂する方式を開発。窓枠の落下エネルギーは、主にワイヤーの伸びによる弾性ひずみエネルギーで吸収されます。
実大窓枠落下実験
試験体架台はH形鋼を用いた門型ラーメンとし、この内部に3連層の窓サッシが懸垂されます。
1つの窓サッシはW=1800, H=2300で一枚当たりの質量は約100kg。
窓サッシの落下は、電磁石の解放スイッチにより行います。
窓障子脱落防止装置の製品化
窓枠の落下に伴う、窓障子自体の脱落防止装置を考案しました。なお、窓ガラスには飛散防止フィルムを貼付します。
ワイヤー端部と柱の納まり
（鉄骨ブラケットに定着）
ワイヤーへの窓枠の保持状況
（窓枠に取り付けたクランプでワイヤーを保持）
安全性の確認
ワイヤーロープ（神鋼鋼線工業(株) 6×19,12φ）に加わる衝撃力を、荷重計（ロードセル）を用いて逐次計測し、安全性を確認しました。
図2.ワイヤー張力の時間変化
図3.最大ワイヤー張力の比較
※Wikipedia より引用
本装置の
独創的なポイント。
- 水平に展張したワイヤーで落下衝撃を吸収
- 落下が床面にまで至らないフェールセーフの考え
- このため学校体育館の安全確保、および避難所機能維持を可能とします
イメージは空母のアレスティング・ワイヤー（制動索）
